少し前のことですが、9/6に公開されたクライミングのドキュメンタリー映画「フリーソロ」を観に行ってきました。
映画の内容はというと、アメリカのフリークライマー、アレックス・オノルドがヨセミテ国立公園にある約975mの断崖絶壁「エル・キャピタン」をロープなしで登る様子をおさめたもの。(このスタイルで登るクライミングを、「フリーソロ」と呼びます)
監督は、同じく山岳映画「MERU/メルー」を手がけたエリザベス・チャイとジミー・チン。夫婦でクライマーの二人です。
>>>関連記事:【映画レビュー】「MERU/メルー」山岳ドキュメンタリー映画の至宝
賛否両論だが、ドキュメンタリー映画としては当然の内容
アカデミー賞受賞作品(ドキュメンタリー部門)ということですが、事前にクライミング仲間から聞いた評判は賛否両論。
否定側の意見としては、クライミングシーンが少なく、彼女との恋愛模様やオノルドがフリーソロに挑むまでの心の葛藤を描いたシーンが多い、といったことが理由のようです。
しかし僕から言わせてみれば、ドキュメンタリー映画なんだから、人間の内面的な部分に焦点を当てた内容になるのは当然ですよね。
スリルのあるクライミングシーンを提供するという目的なら、インターネットの生配信なんかの方が適しているわけです。
それに映画でひたすら登ってるところだけ見せられても逆に退屈かな、と。
クライミングって、じりじり登っている時間も長くて意外と地味ですからね(笑)
アレックス・オノルドの葛藤
ちなみにオノルドの恋人であるサンニもクライミングをやるそうですが、彼女はまだ初心者の域を出ないレベル。
クライミングより、どちらかというと「普通の幸せ」を人生に求めるタイプの女性です。
一方、プロのクライマーとして活躍するオノルドは、
「人生において最も重要なのは、情熱。
自分が本当に達成したい目標に挑むとき、恋愛は二の次だ」
と発言しています。
じゃあなんで付き合ってんだろーなーとも思いましたが、無口で自分の感情を表現するのが苦手なオノルドは、サンニの陽気な人柄に惚れた様子。
日頃から命を懸けたクライミングに挑戦しているオノルドにとって、明るい彼女の存在は心の支えになっているのでしょう。
そしてフリーソロすることを心配する彼女に対し、本番当日、登ることを明言せずに岩場へ去っていくオノルド。
映画では、そんな彼女とクライミングとの天秤をかけたオノルドの葛藤が描かれていました。
※追記
2019年12月26日、オノルドがサンニと結婚したと発表がありました。おめでとうございます♪
映画の終盤はドキドキハラハラ
もちろん、こうした人間模様だけでなく、ストーリーの終盤はクライミングシーンがメインとなります。
ルート上の最もむずかしい核心部分での動きを「空手キック」とオノルドが表現していたのですが、文字通り空手の蹴りのように片足を勢いよく振り上げる動作を要するシーンがありました。
※こんなイメージ↓
「いや、ロープなしでその動きはヤバいっしょ!!」
というダイナミックな動き。
そこで足を滑らせれれば、数百メートル下まで真っ逆さまとなります。そして地面に叩きつけられ、体がバラバラになってしまうような危険なポイント。
映画として完成しているので落ちないとはわかっているものの、そのシーンはドキドキハラハラして手に汗握るものでした。
そして無事、核心部分をクリアし、頂上まで落ちることなく見事完登。
それまでの葛藤してきたストーリーを見てきた分、感極まるクライマックスでした。
クライマーは必見!(もち、クライマーじゃない人も)
僕自身もクライミングをやるので(フリーソロは絶対やりませんが)、オノルドがどういう思いでクライミングに取り組んでるのかという点に興味をそそられました。
クライマーにとっては、この映画を観ることで今後のモチベーションアップにもなると思いますので、ぜひ観てみてください(僕も映画を観た翌日、妙にやる気に満ち溢れていました。笑)
もちろんクライミングをやらない人でも、常人では考えられないことにチャレンジしている人間の姿を垣間見られるという点で、見て損はありません。
すでに上映終了している映画館も多いので、このチャンスをお見逃しなく!
▼「フリーソロ」公式サイト
※2019年12月初め現在では、ほぼ上映終了
↓Amazonプライムビデオでは視聴可能です
↓DVDも出てます
↓Blu-rayもどうぞ
書籍「ALONE ON THE WALL」も発売中
アレックス・オノルドの活動について知りたい人は、彼の軌跡を追った著書「ALONE ON THE WALL」という本でも知ることができます。
こちらも要チェック。
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