わざわざ山奥に入り、ようやく見つけた動物を銃で撃ち、さばいて食う。
狩猟は人間が生きるために古くから行われてきた行為ですが、現代社会ではスーパーに行けば動物の肉は簡単に手に入る時代です。
でも、食糧となる動物を、あえて自らの手で獲ってみたい。
そんな非効率だけどロマンを感じる営みを求め、猟期も終盤に差し掛かる3月初旬、狩猟体験に参加してきました。
急遽、内容変更
今回は、以前ニワトリの解体体験でお世話になった先生のイベントです。
集合は東京あきる野市。ほかに参加者は2名おり、先生含め全員男性の体験会となりました。
最初に先生から説明があり、今回メインでやる予定だった「わな猟」から「銃猟」へ内容が変更となりました。
わな猟は、フィールドにわなを設置する、いわば”待ち”の手法。一方、銃猟はみずから積極的に獲物を捕まえにいく”攻め”の手法といったところでしょうか。
これまでのイベント傾向から、獲物がとれて当たり前だという感覚の参加者が多いらしく、より捕獲率の高い銃猟へ変更するというものでした。
僕は獲れなくてもいいかな、という感じで参加したので、そんな風に思う人が多いなんてちょっと驚きです。
場所は先生がいつも猟場にしているという、山梨県の丹波山村へ移すことになりました。
途中、先生が害獣駆除の依頼を受けたという方のお屋敷?に届け出を出してから出発します。
移動の車中、先生から色んなお話を聞くことができました。
高齢化の進む猟友会では色んなしがらみも多いこと。
狩猟・銃所持免許を取得するまで時間がかなりかかること。
季節や場所によって動物の個体に味の違いが出ること、などなど。
また、狩猟免許を取っても、その後活動を継続する人はほとんどいないそうです。何事も、継続するのって大変ですものね。
道の駅たばやまへ
小一時間経ち、丹波山村の「道の駅たばやま」に到着。
ここでランチをとりながら、事前のミーティングを行ないました。
お洒落な店内です。
鹿肉カレーをいただきましたが、鹿と言われないとわからないような。ちょっと牛肉に近い感じでしょうか。
食事後、事前ミーティングを行ないました。
狩猟で使う地図は、スマホアプリの「ジオグラフィカ」だそうです。
僕も登山でわりと使っていますが、狩猟でも活用されているのだなと、なんかしみじみ。
いざ、入山
ミーティング後、猟場までは雪道でした。
車のタイヤがスリップして進まなくなるトラブルもありましたが、なんとかたどり着けました。
猟師が着るオレンジ色のベストと帽子をお借りし、気分も上がります。
また、トランシーバーの使い方も教わりました。
機器の操作自体はそんなに難しくないのですが、コミュニケーションの取り方はちょっと難しい。相手のイメージしていることと、自分のイメージしていることは必ずしも合致しません。
複数人での狩猟はチームプレイであり、一瞬を争う行為です。お互いの状況や意思を、正確に、素早く伝えないといけない。
シミュレーションを何度か行なってから、出発しました。
一般登山道を進みます。
冬場はほとんどひと気のない山域ですが、動物の足跡が随所に見られました。
巻き狩りで獲物を捕まえる?
今回の狩猟は、「巻き狩り」という手法。獲物を多方面から追い込み、銃をもつ人が逆側から攻め、仕留める形です。
一方、単独で山に入る「忍び猟」というスタイルも自由度が高くて良いなぁとは思いますが、今回のようなチームプレイもなんだか楽しそうです。
まだ自分にはどんなスタイルが合うのかわからないけど、とりあえずやってみよう。
それぞれのルートから山を登り、トランシーバーで状況を伝えながら動いていきます。
僕は足の怪我明けだったこともあり、少し不安もありましたが、思ったより体の動きは良い感じ。
勾配のある尾根を、息を切らしながら登っていきます。
各メンバー、獲物を探して歩きますが、いっこうに現れる気配はありません。
「うーむ、そんな都合よく出てきてくれないよなぁ」と思いつつ、密かな期待を胸に歩みを進めます。
登り始めて15分ぐらい経過したところでしょうか。目的となるゴール地点が見えてきて、そこでみな落ち合いました。
実際はこの工程を1日で2~3回繰り返すそうですが、時間の関係で、ここで終了です。
残念!!
狩猟を体験してみて
あいにく獲物に遭遇するこはできませんでしたが、猟師の人たちはいつもこんな感じで行動しているんだなと知れたのは良かったと感じました。
もし今回獲物を捕まえられたら、その後の運搬や、さばく工程もあるので結構手間がかかりそうです。
大変そうだけど、そういったことも含めて狩猟をやりたいか。そこに価値を見出せるかどうかだと思います。
少し不完全燃焼ではあるけど、また別の機会に狩猟の現場で生の空気を感じたいです。
それではこのへんで。
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