三つ峠山でマルチピッチクライミング

少し前の山行になりますが、6月に山岳会の仲間3人と、山梨県にある三つ峠山へクライミングをしに行ってきました。

がっつり梅雨どきでしたが、運良く晴れてくれました(日頃の行いが良いおかげでしょう)

三つ峠はいつぶりだろうか。普通にクライミングを楽しむだけなら他の岩場に行ってしまいますが、大きな山に行く前の練習では、わりとよく訪れる場所です。

そう、今回の目的は、北アルプス剱山の山頂に繋がる八ツ峰というルートに向けた、ロープワーク確認のため。

三つ峠は、山頂直下に屏風岩という巨大な岩壁(高さ80m、幅200m)にルートが豊富にあり、アルパインクライミングを目指すクライマーにとっての貴重な山なのです。

一つの目標に向かってみんなで進んでいく感じ、久々でなんかワクワクします。

岩場までのアプローチは約1時間。

びっしょり汗をかき、山頂付近に二つある山小屋の一つ、「三つ峠山荘」で小休憩していきます。

山荘からは富士山がよく見えました。雪はもうほとんど無くなっています
三つ峠山荘には、2頭のワンちゃんが暮らしています(めちゃ吠えられた)

写真の通り、ここ三つ峠は富士山の近くにあり、シーズン中はハイカーも多く登ってきます。

そんな中、我々のような変態クライマー勢は、先述の屏風岩をマルチピッチクライミングしながら登っていきます。

マルチピッチクライミングとは?

基本的には2人1組のリード&フォローと呼ばれる形式で登るのですが、途中でロープが足りなくなるので、最初に登るクライマー(=リード)が、ある程度登ったところでロープを引き上げ、後から登ってくるクライマー(=フォロー)を、上で安全確保しながら登ります。その際、フォローがギアを回収し、次に登る時に備えます。

この、一度に登る間隔のことを「ピッチ」と言い、複数回(マルチ)のピッチを切るので、マルチピッチクライミングと呼ばれています。

岩場に着くとそこそこ混んでいましたが、空いていた「一般ルート」周辺を登ることに。

赤枠あたりのルートを登りました

今回パートナーになっていただいたのは、Hさん。

某有名山岳ガイドさんの講習に足繁く通い、そこで得た知識や経験をいかんなく発揮してくれます。

Hさんは、普段マルチピッチの時は残置無視(元々岩に打ってあるボルトやハーケンを使わないこと)して登るスタイルのようで、それに合わせることにしました。

一般ルート下部
前日の雨でまだ濡れていた岩を、気合いで登るHさん

残置無視だと、カムというギアを岩の割れ目(=クラック)に自らセットしながらなので、慎重に登らざるを得ず、余計に時間がかかります。

がしかし、本チャンのアルパインルートだと信用できない残置物もあるので、そういったことを想定して登る必要もあるのです。

また、マルチピッチの時はお互い大きな声を出して合図するのですが、距離が遠かったり、風の音でかき消されてしまうこともあります。そのため、今回は敢えて声は出さずに、ロープのちょっとした動きなどで相手の状況を読み取り行動しました。

最初は慣れませんでしたが、やってくうちに感覚を掴めてきました。やってみると出来るもんだ。

このあともう1本登り(たぶん、リーダーピッチ(Ⅳ+)というルート)、いい時間になったので終了です。

パートナーとの信頼関係も築くことができ、良い練習になりました。

帰りは、まだ小さいお子さんのいるメンバーが激推ししてきたサイゼリヤで決起集会。やはりファミリー層には人気なのですね。

久しぶりのサイゼでしたが、安くて美味しくて良いですな。

後日、、7月の海の日3連休で目標の八ツ峰を予定していたのですが、梅雨前線が停滞しがっつり雨。。。あえなく中止となりました。

ヤマヤの間では、山は逃げないとは言いますが、物理的に山は逃げなくとも、行くチャンスを逃すことはあると思います。このメンバーでは、いつ行けるのかな

コメント