こんにちは、クライミング好きなヨシタツ(@yoshitatsu696)です
クライミングを続けていると、いつか出くわしてしまうかもしれない「パキる」という怪我。
・クライミングの「パキる」ってどういう意味?
・パキってしまったら、どういう治療や予防をすれば良いのかな?
今回はそんな疑問について、自身の体験談を交えて書いていきたいと思います。
「パキる」とは、指の腱などを損傷すること
そもそも「パキる」って何のこっちゃ?ということですが、「パキる」とは主に指の腱などを損傷することを意味するクライミングの俗語です。
指をパキってしまったとき、本当に「パキッ」という腱が切れる音がすることからそう呼ばれています。
僕はクライミングを始めて半年ぐらい経った頃、ジムでポケットホールドを取って体を引き上げようとした瞬間、右手の薬指のあたりをパキってしまいました。
何かが外れたような感覚がして、最初は痛みは感じなかったのですが、時間が経つにつれてじわじわと痛みが出始めました。
「うわー、もしかしてこれがパキるってやつか!!やってしまった・・・」
とショックを受けたのを覚えています。
パキってしまったときの処置【体験談】
実際にパキってしまったときの処置について、僕は次のようなプロセスを踏みました。
【受傷直後】アイシング
パキってしまった直後は登るのを中断し、ジムにあったアイスバッグをもらい患部を冷やしました。
スポーツ外傷における「RICE処置」という応急処置の一環ですね。
RICE処置については、以下のリンクを参照ください。
【受傷翌日】病院へ
受傷した翌日は、病院の外科で診てもらいました。
骨の痛みではないのは予想してましたが、念のためレントゲンを撮ってもらうことに。
案の定骨に異常はなく、左手の薬指に繋がる手首付近の腱を損傷しているそうで、しばらく安静にするようにと言われました。
たしか湿布をもらったような記憶はありますが、まぁ普通の病院ではこれぐらいのことしかしてくれませんね。
【受傷4日後】クライミング専門の整体院へ
やはり「積極的に治療する」ということを考えると、病院ではなくどこかの整体院に通った方が良いのでは?と考えました。
ネットで必死に検索していると、「ボルダリングの整体院」というホームページに行き着きました。
その名の通り、ボルダリングをはじめとするクライマーのための整体院とのこと。場所は東京の恵比寿で、自宅からもそこそこ近いところにありました。
一度の診療で6,000円と結構高いのですが、これで早く治るのであればと藁にもすがる思いで予約メールを送信。
運良く受傷4日後という、比較的早い段階で診療してもらうことになりました。
整体院の先生はクライミング歴20年以上のベテランで、以前は某クライミングショップの店員さんを務めていたこともあるそうです。
クライマーの悩みを良く分かってくれる先生なので、本当に助かりました。
施術は基本的に骨をバキバキやったりせず、ゆっくり関節を動かしたりして、筋肉を「緩める」ことに重点を置いているとのことでした。
2週間は完全レストするようにと言われたため、ジムに行くのはしばし我慢。
【受傷1~3ヶ月】整体院での継続治療
最初のうちは1~2週間に1回ぐらいのペースで治療に通っていました。
1ヶ月経つ頃には徐々にジムで易しい課題(6級ぐらい)は登れるようになってきたと思います。
一度パキってしまうと、完治するのに3ヶ月~半年はかかると言われています。
僕自身、本当に違和感なく登れるようになるのに半年はかかりましたからね。
受傷3ヶ月くらいは整体院に通い続け、その後は様子見しながら徐々に負荷を上げていくといった感じでした。
クライミングでパキってしまう原因
整体院の先生から教わったことなども参考にすると、クライミングでパキってしまうのには次のような原因が考えられます。
練習のしすぎ(オーバートレーニング)
熱心なクライマーは日々、ハードなトレーニングを積み重ねている人も多いでしょう。
ときには連日ジムへ練習しに行ったりすることもあると思います。
僕がパキったときは週3でジムに通っていて、その日も2時間ぐらいハードなトレーニングをしていたときでした。
腕が疲れてきたなーと感じてはいたのですが、そんなときに保持しにくいポケットホールドが配置された課題にトライしてしまったんですよね。それでパキっといってしまいました。
熱心に練習しないと上達していかないのは確かなんですが、限度は必要です。
自分の身体の状態を良く観察しながら登ることが非常に大切ですね。
登り方が悪く、指に余計な負荷がかかっている
初心者のうちはまだフォームが身に付いてないし、腕の筋肉や指の腱なども成長していません。
もちろん中上級者でもパキってしまうことは多くあるのですが、登り方が悪いと指に余計な負荷がかかってしまいます。
特に男性に多いと思うのですが、力任せに登ってしまう人。
ガシガシ力強く登れるのはその人の強みでもありますが、それだけ身体へのダメージも大きいです。
僕もどちらかというとそういう登り方をしていたのですが、パキってからは力を抜いてなるべく効率良く登ることを心がけるようになりました。
筋肉がこり固まっている
筋肉は日常生活での身体の使い方に大きく影響されます。
デスクワークなどずっと同じ姿勢でいると、肩や胸、腰や背中まわりの筋肉がこり固まってきますよね。
慢性的にそのような状態が続くと、いざクライミングで筋肉を動かそうとしても、固い動きになってしまいます。
筋肉が上手く使えないと、余計な負荷がかかって怪我に繋がります。
パキらないようにする予防法
ではパキるのを予防するためにはどうすれば良いのでしょうか?次のような対策をとっていきましょう。
適度にレスト(休養)をとる
上達したい気持ちは大いに結構なのですが、練習のし過ぎは禁物です。
適度にレスト(休養)を取りましょう。
トレーニングの負荷が低ければ連日登ってもそこまで問題ないとは思いますが、負荷の高いトレーニングが続くとそれだけ怪我の確率は高くなります。
運動するということは、ある意味筋肉を傷めつけているということでもありますからね。
なのでハードなトレーニングをしたら、最低でも1日は休んだ方が良いです。2日休むとだいぶ疲労が抜けると思います(もちろん個人差はありますよ!)。
なおトレーニングには「超回復」という理論があります。
超回復とは
トレーニングや練習を行うことによって起こる、エネルギーの枯渇や筋線維の損傷。(中略)
その後、適切な休息をとることで筋肉が回復していき、その結果として筋力の向上や筋肥大などの成果が現れるのです。
トレーニング後に起こるこの現象を「超回復」といい、その理論を超回復理論と呼びます。
MELOS:筋トレ後に起こる「超回復」とは。効率よく筋肉を作るトレーニングの頻度・休む期間・1週間メニュー例 (1/3)
超回復理論によると、トレーニング後は48~72時間の休息が必要になります。
◆筋トレ後は48~72時間の休息が必要
MELOS: 筋トレ後に起こる「超回復」とは。効率よく筋肉を作るトレーニングの頻度・休む期間・1週間メニュー例 (1/3)
超回復は一般的に、トレーニング後48~72時間(2日~3日)の休息が効果的とされています。休息をとらず、48時間よりも短い間隔でトレーニングを行ってしまうと、筋肉が十分に回復する前に再び筋肉が破壊されてしまうため、筋肉が成長しないうえ、疲労が蓄積してパフォーマンスが向上しません。
きちんと休息をとることで、筋肉も成長していくということですね。
また怪我の回復を促進するために、筋肉づくりに必要なタンパク質を多く摂ることも重要です。
食事だけでタンパク質を補うのは結構難しいので、プロテインなどのサプリを飲むことをおすすめします。
僕が飲んで良かったと思うプロテインは、以下の商品です。
きれいな登り方を心がける
パキり予防のためには、正しくきれいなフォームを身に付けることも大切です。腕や指の力だけで登ろうとせず、足に重心を置いて登ることを意識しましょう。
正しいフォームを身に付けることは、クライミングの「ムーブ」を身に付けることでもあります。
ムーブとは、クライミング特有の登り方のテクニックのことです。
中上級者のクライマーは既に身に付いているかとは思いますが、初心者クライマーはまずムーブをマスターすることが先決ですね。
ムーブについてはクライミングジムでレッスンをしてくれるところもあるので、そのようなものに参加してみるのもおすすめです。
僕は東京・小竹向原にある「Base Camp Tokyo」というジムでムーブの基礎を教えてもらいました。
一朝一夕に身に付くものではないですが、繰り返し練習していけば必ず上達していきます。僕はムーブを身に付けてから一気にクライミングが楽しくなっていきました。
筋肉を緩める
「ボルダリングの整体院」の先生に良く言われていたことですが、ウォーミングアップやクールダウン時はもちろん、レスト日にも筋肉を緩めるストレッチをすることが大事です。
筋肉を緩めるのに効果的なのが、「ボルダリング体操」。整体院の先生が考案したものだそうです。
動画でも説明してくれているので、ぜひ観てみてください。
これをやると、本当に身体が軽くなっていくのが感じられます。日々の習慣にして、筋肉を緩めていきましょう。
クライミングでパキってしまったら、焦らず治していこう
パキってしまうと残念ながら、完治するのに本当に時間がかかってしまいます。
辛抱強く治していくしかないのですが、日々のケアは怠らずにしていきたいものですね。
そして、治らないうちは決して無理はしないように!これは鉄則です。
僕は近くに「ボルダリングの整体院」があったので良かったですが、自己流で治そうとせず、なるべく治療院などに通って専門家の施術を受けることを推奨します。
現在パキってしまっている人は少しでも早く治して、また楽しくクライミングができるようになることを願っています!
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