こんにちは、クライマーのヨシタツです(@yoshitatsu696)
関東近郊には、フリークライミングができるゲレンデ(=クライミング用に整備された岩場のこと)が沢山あります。
関東近郊の岩場って、どんなところがあるのかな?実際に行った人の感想も聞いてみたいな。
この記事ではそんな人に向け、僕が外岩のゲレンデに行き始めて7年間で行ったことのあるエリアの中から、「奥多摩」「秩父」「甲信越」「南関東・伊豆」エリアに分けて紹介したいと思います。
ぜひ参考にしてみてください。
奥多摩エリア
どちらかというと小ぶりな岩場が多い印象の奥多摩ですが、都心からアクセスしやすいエリアであります。標高が低いので夏場に登るのは厳しいですが、春や秋のベストシーズンは多くのクライマーが集まります。
天王岩
東京近郊のクライミングゲレンデとして人気の天王岩。
グレードは5.10台~とまずまずお手頃。逆に言うと最低でもジムで5.10台は登れないとあまり楽しめないかもです。
岩はチャート特有の感触でけっこう滑りやすいですが、細かいホールドを拾いながら登る外岩の練習には良いと思います。
あと全体的に日陰になっているため、冬場に行くとかなり寒いですね。。朝方の気温が低いときに岩を触ると手が死にそうになります(笑)
- グレード:5.10~5.11中心
- 岩質:チャート
- 適期:春、秋
- アクセス(最寄り駅):JR武蔵五日市駅
カーネルロック
コンパクトな岩場ながら、石灰岩の独特な形状をしたルートが楽しめます。
岩場の上にある飲食店のオーナーで地主の方(カーネルさんという人らしい)が、開放してくれている岩場です。
利用料として500円支払う必要があります(岩場の入り口に徴収ボックスあり)。
ルートは10本にも満たない程度ですが、しっかりとしたムーブが必要なルートが多く、我々クライマーを楽しませてくれます。
- グレード:5.9~5.11台
- 岩質:石灰岩
- 適期:春、秋(陽当たりが良いので冬でも割といける)
- アクセス(最寄り駅):JR日向和田駅
越沢バットレス
越沢バットレスは、フリークライミングというよりアルパイン向けの岩場です。
マルチピッチの練習になりますが、支点は信頼できないものも多く、激落ちするのは危険。
支点構築の技術をしっかり身に付けて行くか、経験豊富な人と一緒に登るかした方が良いですね。
また、岩場は全体的に陽当たりが良くないので、冬は結構寒いです。
- グレード:Ⅳ~Ⅴ中心
- 岩質:チャート
- 適期:春、秋
- アクセス(最寄り駅):青梅線 鳩ノ巣駅
秩父エリア
山に囲まれた秩父エリアも岩場が豊富にあります。都心からだと奥地まで行くと遠い岩場もありますが、行ってみる価値ありです。
河又
秩父エリアの人気ゲレンデ。僕が初めて外岩で11台を落とした岩場でもあります。
岩場としては比較的広く、ルートも豊富にあります。石灰岩好きにはたまらないですね。
岩の表面は、登られ過ぎて大理石のようにツルツルに磨かれています。急に足を滑らせてしまう危険があるので気を付けてください。
陽当たりはそこまで良い方ではないので、寒い時期はけっこう辛いです。
- グレード:5.10~5.12台
- 岩質:石灰岩
- 適期:春、秋
- アクセス(最寄り駅):西武池袋線 飯能駅
二子山
12~13台のルートがゴロゴロある、初心者を寄せ付けない岩場。
一番人気エリアの「弓状バットレス」には強者のクライマーが多数集結します。
アップルートとして登られる「悪魔のエチュード」は「日本で一番かぶった10a」というキャッチフレーズがついているのですが、傾斜がかなりあるので10aだと舐めてかかると痛い目にあいます。
少し離れた「祠エリア」であれば比較的易しいルートもあるので、初中級者は祠エリアをメインに登ることをオススメします。
また、マルチピッチルートの中央稜(5.8)も人気があり良く登られています。核心ピッチは登りごたえがあり、なかなか面白いです。
- グレード:5.11~5.13台中心
- 岩質:石灰岩
- 適期:春、秋(陽当たりが良いので冬も割といける)
北川
傾斜がきつく、11~12台中心の中級者向けの岩場です。
北川はどちらかというと、「外岩で11台を登れるようになり、12台にステップアップしていきたいクライマー」にとっての鍛錬の岩場といった印象です。
僕はまだそんなに登れない頃に一度だけ行ったことがあるのですが、何も手ごたえなく激沈しましたね(笑)
強くなりたいクライマーは是非通ってみてください。
- グレード:5.11~5.12中心
- 岩質
- 適期:春~秋
- アクセス(最寄り駅):西部秩父線 西吾野駅より徒歩30分
南関東・伊豆
このエリアは冬でも比較的暖かく、クライマーにとっては過ごしやすい岩場が多いです。
湯河原幕岩
温泉地としても有名な湯河原。
5.10未満の易し目ルートも豊富にあり、初心者クライマーにも大人気の岩場であります。
冬でも比較的暖かく、シーズン中はクライマーがごった返します。講習会や山岳会の練習なども良く行われてますね。
関東近郊の岩場の中ではかなり広いエリアで、ルート数は400本を超えるそうです。その反面、ルートが入り組んでいて、トポを見てもどのルートなのか判別がつきにくいことがあるのが難点。。
2月上旬~3月上旬は梅まつりが開催され、一般の観光客も多く訪れるので、くれぐれもマナーにはご注意ください。
- グレード:5.9~5.11台中心
- 岩質:安山岩
- 適期:春、秋、冬
- アクセス(最寄り駅):東海道線 湯河原駅
城ケ崎
城ケ崎海岸沿いにある、冬でも暖かい岩場。
フリークライミングのできる岩場といえば基本的に山の中にあることが多いですが、城ケ崎は海沿いの岩場ということで、ちょっと違った雰囲気を味わえます。
高グレードのスポーツルートが多いですが、クラックルートも豊富にあり、僕は主にクラックをやるときに城ケ崎へ出向いています。
泊りがけで行く場合は民宿に泊まるのがおススメ。海鮮系のメシが旨いです。
おススメの民宿はクライマー御用達の「大重丸」。夕食では、海の幸をたらふく食べられます。
クライマーの宿泊客には翌日のお昼ご飯に、おにぎりまで用意してくれちゃいます。
- グレード:5.10~
- 岩質:安山岩
- 適期:秋~春
- アクセス(最寄り駅):伊豆急 伊豆高原・城ケ崎海岸・富戸駅
城山
ここも冬のフリークライミングの場として人気の岩場。
南壁のスラブ帯は圧巻です。
比較的広いので、講習会などで冬のクライミングの場として使われていることが多いですね。
南壁にはマルチピッチルートも多くあり、「西南カンテ」「バトルランナー」「エキスカーション」といったルートは良く登られています。
- グレード:(南壁)5.9~5.12中心
- 岩質:安山岩
- 適期:秋~春
- アクセス(最寄り駅):伊豆箱根鉄道 大仁駅
奥秩父・甲信エリア
奥秩父・甲信エリアは僕が一番好きなエリアで、魅力的な岩場が豊富にあります。
小川山
日本のクライマーのメッカとも呼ぶべき、国内を代表する花崗岩の岩場です。
標高1500m以上の高い所にあり、鬱蒼とした他の岩場とは雰囲気が違って明るい雰囲気があります。
夏場はとても涼しいです。
廻り目平キャンプ場をベースとして、点在する各エリアへアプローチできます。まさにクライマーにとってのテーマパークのような場所ですね。
傾斜のある壁は少ないですが、スラブからフェース、クラックルートが豊富にあり、初心者~上級者まで楽しめる岩場となっています。
なお、グレード(特にスラブ)に関してはトポに載っている数字より、実感として難しく感じます。
ボルトの間隔が遠かったりするので、グレードだけを見て取付くのは危険なこともあります。その辺りは良く見定めるようにしてください。
なお、廻り目平キャンプ場では焚き火もOKなので、夜はバーベキューでもして楽しみましょう!
- グレード:5.10~5.13中心
- 岩質:花崗岩
- 適期:春~秋
- アクセス(最寄り駅):信濃川上駅
瑞牆山
小川山と並び、花崗岩クライミングの代表格。
瑞牆山は僕が登山を始めた頃にハイキングで来ましたが、絶壁を登るクライマーを見て驚いた記憶があります。
ルート総数は約600本で、スポーツルートからクラック、マルチピッチまで幅広くあります。
ただ、小川山に比べて難しいルートが多い印象があります。残念ながら初心者の人だと登れるルートがほとんど無いかもしれません。
岩場としては素晴らしい雰囲気で、夏の時期に木漏れ日の中で登るひとときが好きです。
みずがき山自然公園でキャンプをすることもでき、泊まりの際はここをベースにすると良いでしょう。
ただし、小川山の廻り目平キャンプ場と違い、焚き火は禁止なのが残念。
- グレード:5.10~5.13中心
- 岩質:花崗岩
- 適期:春~秋
- アクセス:中央道須玉ICまたは韮崎IC
兜岩
一時期、火事のため登攀禁止になっていた岩場。
そのためか世に出ているトポにも載っていない知る人ぞ知る岩場。僕は山岳会の人から兜岩の存在を教わりました。
スポーツルートだけでなくクラックルートもある貴重な岩場です。
グレードは5.10~11台が多く、初中級者向けといった感じですね。
南向きで陽当たりが良いので冬でも登れます。
- グレード:5.10~5.11中心
- 岩質:?(すみません不明です)
- 適期:春、秋、冬
- アクセス(最寄り駅):石和温泉駅
三ツ峠
フリークライミングというより、アルパインクライミング向けの練習の岩場という位置付け。
シーズン中は、多くのガイド講習や山岳会と思しきグループが練習に励んでいます。
シングルピッチのルートも沢山ありますが、マルチピッチルートも豊富にあります。標高が高くアプローチに1時間かかるので、せっかく来たならマルチをやらないと損ですね。
また、リングボルトやハーケンといった脆い支点も多いです。十分注意する必要がありますが、そういう意味ではアルパイン向けの良い練習になると思います。
- グレード:Ⅳ~Ⅴ中心
- 岩質:角礫岩
- 適期:春~秋
- アクセス(最寄り駅):富士急三ツ峠駅
まとめ:クライミングに行く際はトポも入手しておこう
以上、関東近郊のフリークライミングゲレンデについてご紹介してきました。
僕自身、まだまだ行ったことのない岩場が沢山あるので、新たに行く機会があれば随時更新していきます。
なお、各エリアのトポについては以下の書籍で詳しくまとめられています。
是非入手しておきましょう。
>>>合わせて読みたい記事:「岩場へクライミングに行くならトポは必須!おすすめのトポも紹介」
コメント