マルチピッチでクライミングするときって、基本登っている時間が長いですよね。
そんなとき、飲み物や防寒具、トポなどを入れておくちょうど良いサイズのザックが欲しかったりしませんか?
各メーカーからワンデイ用のマルチザックが出ていますが、その一つとして人気の高いのがペツルの「BUG(バグ)」。
この記事では、BUGを2年ほど使用してきた僕が、メリット・デメリットや使い心地などについて説明していきます。
本記事を読んでいただくことでBUGの全容が理解できるかと思いますので、ぜひチェックしてみてください。それではいきましょう!
BUGのスペック
まずは、BUGのざっくりしたスペックです。
- 素材 ナイロン
- 容量 18L(ワンサイズ)
- 重さ 525g
- カラー グレー、レッド
- 価格 ¥7800(税込¥8,580)
参照:アルテリア公式HP
カラーに「レッド」とありますが、店頭でも実物を見た感じ、どう見てもオレンジですね。
レッド(オレンジ)も鮮やかで良いなと思いましたが、僕は何にでも合わせやすいグレーを選びました。
メインの収納はこんな感じです。
上部にハイドレーション用の穴もあります。(僕は使ってませんが)
フロントにもポケットがあり、僕はここに財布などを入れています。
背面には薄いパッドが入っており、適度にクッション性があります。
また背面にもポケットがあり、トポなどを入れられるサイズになっています。
BUGの購入動機
購入動機については次の通りです。
マルチピッチ用の小ぶりなザックが欲しかった
BUGを購入するまでは、縦走登山用の40Lザックや、テント泊登山時の小さいアタックザックを使ったりしてました。
しかしそれらはマルチピッチには適しておらず、次のようなデメリットがありました。
①縦走登山用ザック
- 単純にデカい。登ってるとき幅が広くて邪魔
- 中身をほぼ空にしても重い
- ザックのヒップハーネス部分と、クライミング用ハーネスが干渉してしまう
②アタックザック
- 生地がフニャフニャしていて、中に物を入れると重心が下がる
- 岩や木に引っ掛けると破れやすい
上記の点でクライミング中にストレスを感じることが多く、マルチピッチ用の小ぶりなザックを検討し始めました。
なぜBUGを選んだか?
数あるマルチ用ザックの中から、バグを選んだ主な理由は次の通りです。
- 18Lという容量が、大きすぎず小さすぎずでちょうど良かった
- チョークバッグやハーネスと干渉しない設計
- ロープストラップがある
- デザインがかっこいい
アルパインクライマーの佐藤裕介さんも使っているという記事を見たから、というのもあります(笑) その記事はこちら
では次から、バグの詳細なメリットについて書いていきます。
メリット
メリットは次の4つです。
- 背負う位置が高く、チョークアップしやすい
- ジッパーの間口が狭くなっており、クライミング中に物を落としにくい
- ロープストラップ、デイジーチェーンが付いてて便利
順番に説明していきますね。
背負う位置が高く、チョークアップしやすい
BUGの中で、個人的にこれが割と一番のメリットと感じてます。
クライミング中って頻繁にチョークアップすると思うので、その動きがザックで妨げられると結構ストレスになるんですよね。
その点、BUGは腰より上の高い位置で背負えるように設計してあるので、チョークバッグと干渉しません。このおかげでチョークアップがスムーズになり、ストレスを感じることもなくなりました。
もちろんハーネスのギアラックとも干渉しないので、ギアの付け外しも楽ちんですよ。
ジッパーの間口が狭くなっており、クライミング中に物を落としにくい
これもペツルの細かい配慮で、メインジッパーの間口が狭くなっています。
比較として、下の写真は別のザックです。全長の半分ぐらい、大きく開いてます。
それに対し、以下はBUGのジッパーを全開した状態です。全長の半分以下しか開きません。
一見使いにくそうに思うかもしれませんが、これもクライミング中を想定しての設計。
マルチでは当然高い場所まで登るため、物の落下を避けたいところですよね。そのために敢えて間口を狭くして物が落下しにくいようにしてあるんです。
ビレイポイントでちょっと物を取り出したいときとか、落とすリスクを軽減することができますよ。
ロープストラップ、デイジーチェーンが付いてて便利
BUGの上部にロープストラップ、フロント部分にデイジーチェーンが付いています。
デイジーチェーンによって、ロープストラップの締め具合を調整することもできます。
容量的にロープは中に入らないこともあるので、ロープを固定できるストラップがあると、アプローチ中やクライミング後に取付きまで戻る際に便利なんですよね。
デメリット
次にデメリットについて書いていきます。
正直、そこまでデメリットについては感じないのですが、あえて挙げるとすれば以下のような点です。
防水素材ではない
バグの素材はナイロンのため、残念ながら防水素材ではありません。
でもマルチピッチは基本的に、アルパインクライミングと違い悪天候の中でやることは少ないと思います。
なので、防水素材でないことはそこまで大きなデメリットにはならないのではないでしょうか。
街中だと背負う位置が高くてちょっとダサく見えるかも
メリットに挙げた「背負う位置が高い」という点ですが、街中で背負うとちょっとダサく見えるかもしれません(笑)
普段使いだと僕は近所のボルダリングジムに行くときなんかに使う程度なので、そこまで気にしてませんが、これについては人それぞれでしょうか。
BUGの使用シーン
今までの使用シーンは主に以下のスポットです。
・二子山中央稜(秩父)
※山行記事は「二子山中央稜(秩父)【マルチピッチクライミング】」をご覧ください。
・クラビ(タイ)
※山行記事は「タイ・クラビ(ライレイ・プラナン)でのロッククライミングが最高すぎた件」をご覧ください。
・つづら岩(奥多摩)
・三つ峠
実際マルチではまだ数える程度しか使えてませんが、それでも十分満足しています。
ちなみに二子山中央稜ではカムを沢山持っていったので、BUGの中には全部入らず、ギアラックも併用して持ち運びました。
また、マルチピッチルートが豊富な小川山ではまだ使用できてないので、是非使ってみたいと思っています。
まとめ
マルチピッチをやるのであれば、やはりマルチを想定したザックの方が使い勝手は良いと感じています。
それ以外のザックでも使えないことはないと思いますが、シビアなクライミングであればあるほどストレスを感じてしまう場面が増えることと思います。
それに、気分的にもマルチ用のザックの方がテンションも上がりますしね(笑)
そんなマルチピッチの相棒にペツルのBUGはいかがでしょうか?今回は以上となります。
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