どうも、クライミング大好きヨシタツ(@yoshitatsu696)です。
「秩父のジャンダルム」との異名を持つ二子山。
低山ながら、切り立った岩壁をもつ山です。
9月の残暑に、そんな二子山の中央稜というマルチピッチルートを登ってきました。
まだ暑い時期でしたが、気持ちの良い天気で楽しいクライミングとなりましたので、レポートしていきます。
行程
二子山中央稜の行程などについては、以下の通りです。
日付 | 2019年9月14日 |
コース | 二子山登山口(8:55)→祠エリア(9:04)→中央稜取付き(9:16)→終了点(14:30) →西岳山頂(14:53)→祠エリア(15:30)→クライミング→二子山登山口(18:00) |
メンバー | 2人 |
参考にした情報
二子山中央稜へ行くにあたって、次のトポを参考にしました。
二子山中央稜の概要
二子山は埼玉県の小鹿野町にあり、西岳と東岳の山頂を持つ双耳峰です。
標高は1166mで、石灰岩から成る岩壁が立ち並んでいます。
ショートピッチのフリークライミングルートも豊富にありますが、今回の中央稜は古くから親しまれるマルチピッチルートで、全6ピッチからなります。
核心の3ピッチ目は5.8のグレードが付いていますが、それなりにクライミングのスキルが無いと結構難しく感じると思います。
二子山中央稜のアクセス
マイカーで行く場合は、国道299号を進み、途中の秩父線林道へ入ります。
林道をうねうね登っていくと、二子山登山口にある駐車スペースに停めることができます。
駐車場には仮設トイレもあるので、用はこちらで済ませちゃいましょう。
次からは取付きまでのアプローチについて書いていきます。
取付きまでのアプローチ
まず、駐車場からすぐ傍にある二子山登山口から登山道へ入ります。
登山口には入山者を計測するカウンターが設置されているので、カチっと押しておきましょう。
祠エリアと弓状バットレスへの分岐に差し掛かるので、右方向が祠エリアへの道となります。
祠エリアに到着。ここまで10分弱。
ここに不要な荷物をデポ(残置)し、取付きまで向かいます。
取付きまで行くには、祠エリアの更に奥へと進みます。
「ローソク岩へ至る」という標識があるので、ここを右に登っていきます。
やや急登ですが頑張りましょう。
目印となる赤いドラム缶が置いてあります。ここが中央稜の取付きとなります。
登山口からは20分ほどでした。
二子山中央稜 各ピッチについて
中央稜の各ピッチについて書いていきます。
中央稜は要所要所にボルトや残置ハーケンが打ち込んでありますが、念のためカムを持っていった方が良いです。
トレーニングとして「オールナチュラルプロテクション縛り」、つまりボルトやハーケンを使わずにカムやナッツといったギアのみで確保するクライマーもいるようです。
僕はまだそこまでのスキルは持ち合わせてないので、ボルトも使いながら余裕があればカムも決めてみる、という感じで登りました。
1P目
先行パーティが2名いたので、先に登ってもらいます。
数メートル登ったところのテラスに残置スリングがあるので、そこに支点確保できました。
その後、身体を壁の外に投げ出さねばならない箇所があるのですが、余裕こいていたので、朝一ということもあり思いのほかビビりました(笑)
1P目終了点のテラスに上がると、しっかりとしたボルトが打ってあります。
つるべで、今度は僕がビレイヤーにまわります。
2P目
2P目はスラブ気味の壁。
ここで方向を間違ってしまうことも多いという情報もありましたが、少し左側にトラバースします。若干レイバック気味に登るムーブが有効です。
3P目
2P目を終え、中央稜の核心となる3P目。
パートナーのYさんが、僕にリードで登るのを譲ってくれました。ここからが本番ということで、気合を入れます。
クラックになっていますが、ジャミングを決めるほどではなく、レイバックムーブで登ることができます。
少し上がると、途中で完全に両足で立てる足場があります。下部のクラックにはボルト等は打っていないので、このあたりにキャメロットの#4カムを決めました。
クラックを抜ける直前のところが狭くて、結構長い時間まごついてしまいました。
一応、この箇所に2つほどボルトと残置スリングがあったのですが、できればスリングを掴んだりはしたくなかったので、なんとか左右の壁を上手く使いながら抜けることができました。
クラックを抜けた後はなんてことはないのですが、ボルトや残置スリングなどは殆ど無かったので、カムを決めないとランナウトします。
大テラスに出た後は立ち木に支点構築し、パートナーをビレイしました。
二人とも3P目を登り終えると、大テラスで休憩。ここで昼ごはんを食べました。
4P目
休憩後、4P目に進みます。
1ピン目のボルトがやけに遠かったのですが、まぁ大したことはないです。
拍子抜けするような、短いピッチでした。
5P目
5P目は写真を完全に取り忘れていました。すみません。
再び自分がリードしましたが、意外と出だしが悪いです。たしかクラックに#3か4のカムを決めたと思います。
どこでピッチを切れば良いかはっきりと分からなかったのですが、右上していくとリングボルトが打ち込んでいる箇所があったので、そこをビレイステーションとすることに。
古びていてあまり信頼性がないボルトだったため、念のため小さ目のクラックにカムも決めてバックアップもとっておきました。
6P目
6P目は小核心的な、マントル返しをするような箇所があります。
結構狭いので、パートナーのYさんは苦戦していました。
距離は短いピッチのため、すぐに終了。
終了点まで
6P目を抜けた後は、ほぼ歩きです。
7P目とカウントしてよいのか分からないぐらいな感じ。一応、ロープはつないでおきました。
終了点には、見たことのないタイプの立派なボルトが打ってあります。
西岳山頂へ
せっかくなので山頂にも行こう、ということになり西岳山頂へ向かいます。
フリークライミングでは何度か訪れている二子山ですが、ピークを踏むのは実は今回が初めて。
なんか良い感じの写真も撮ってもらいました。
中央稜の全容も良く見えます。
下りは、祠エリアと弓状バットレスの分岐点まで戻れる登山道があるので、そちらの道を使います。
祠エリアに戻って少し時間があったので、ショートピッチの簡単なルートも楽しみました。
二子山中央稜に持っていった装備
今回持っていった主な装備を紹介します。
カム一式(BDキャメロット)
#0.2~#4までのキャメロット(ブラックダイヤモンド)を一式持っていきました。
ナチュラルプロテクション縛りでなければ全部は必要ないですが、念のため一式持ってた方が安心ではあります。
核心となる3P目のクラックでは#4カムがベストサイズとなるでしょう。
クイックドロー(ペツル アンジュフィネス)
クイックドローも6本ほど持っていきました。
アルパイン向けの軽量クイックドロー、ペツルのアンジュフィネス。
少々値が張りますが、軽いのでアルパインやマルチには持ってこいです。
ダブルロープ(8mm 50m×2本)
50mのダブルロープを2本使いました。
中央稜は屈曲も多く、シングルロープ1本で登ると重くなりそうだったので、ダブルロープ2本のシステムで登りました。
僕が持っているのは、エーデルリッドの「スターリングプロドライ」というロープ(径8.2mm 50m)です。
ドライ加工もされているので、雨に濡れても安心ですね。
スポルティバ TC-Pro(マルチ用シューズ)
マルチ用のシューズは、いつもスポルティバのTC-Proです。
フラットなソールで、クラックにも最適です。
ペツル BUG(マルチ用ザック)
メインザックとは別で、ペツルの「バグ」という18ℓのマルチ用ザックを持っていきました。
高い位置で背負えるので、ハーネスと干渉しないところが良いですね。
その他クライミング道具一式
他は一般的なクライミング道具一式(ハーネス、ヘルメットなど)を持っていきました。
>>>関連記事【外岩初心者向け】外岩リードクライミングに必要な装備まとめ
帰りの晩御飯
一日のクライミングを終えた後は、クライマー御用達の定食屋「ようかみ食堂」へ。
平山ユージさんや安間佐千さんなど名だたるクライマーが来店しているようで、写真やサイン色紙が飾られています。
メニューはとんかつ定食やラーメンなど幅広く用意してあり、秩父名物「わらじカツ丼」も食べられます。
ボリュームもあり美味しいので、オススメです。
二子山中央稜のまとめ
ずっと行ってみたかった二子山中央稜。
天気にも恵まれ、充実したマルチピッチクライミングを楽しむことができました。
ただ、核心の3ピッチ目で苦戦したのが影響し、取付きから終了点まで計5時間かかってしまいました。
またリベンジしに来るときは、もっとスピードクライミングで登りたいですね。
数少ない関東近郊のマルチルートとして入門者にもオススメですので、春や秋の涼しいシーズンに是非、トライしてみてください。
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[…] ※山行記事は「二子山中央稜(秩父)【マルチピッチクライミング】」をご覧ください。 […]