2019年にマウンテンハードウェア(MH)から発売された、ダイニーマ素材の軽量アルパインザック「アルパインライト」シリーズ。
テント泊にも使えるアルパイン向けザックで色々と悩んだ末、本シリーズの50Lサイズのモデルを購入しました。
この記事では、
マウンテンハードウェアのアルパインライト50って、使い心地どうなのよ?
という疑問を持っているあなたへ、商品のレビューをいたします。
実際の現場でも使ってみたので、参考になる部分があれば幸いです。
それでは詳しく見ていきましょう。
アルパインライト50の購入動機
まず、僕がアルパインライト50を購入した動機についてです。
- アルパイン向けのザックを持っていなかった
- テント泊にも使える容量で、かつ軽量なザックが欲しい
今まで山で使っていたメインザックは次の2つでした。
- カリマー・イントレピッド40L
- カリマー・クーガー 50L(~75Lまで拡張可)
どちらもカリマーの縦走用ザックですね。
しかしその2つは重量があり、ヒップハーネスもかなりゴツく、クライミングハーネスと干渉してしまいます。
そのため軽量でシンプルなアルパインザックを探していたわけです。
縦走用のザックと、アルパイン用のザックって作りが違うからなぁ
また、本当は日帰り用とテント泊用とで分けたかったのですが、一度に購入する予算もとれません。
当面の目標が、夏の剱岳・源次郎尾根という2泊予定のバリエーションルート。
❞大は小を兼ねる❞ということで、45~50L前後の容量のザックに狙いを定めていました。
アルパインライト50のスペック
メーカー公式の商品紹介は、次の通り。
耐久性・耐水性に優れた超軽量素材ダイニーマを使ったアルパイン向けバックパックです。50ℓサイズで1㎏を切る軽さながら、機能性も充分。アルミフレーム付きのフォームフレームシートと、2層のパッドが入ったショルダーハーネスが快適な背負い心地を実現します。
マウンテンハードウェア公式サイト
細かいスペックについては、マウンテンハードウェア公式サイトをご覧ください。
ちなみにお値段は定価で¥35,200(税込み)。
ダイニーマ素材のザックでこの値段はかなり安いね!
同じくダイニーマ素材のミレー・トリロジー30なんか、30Lサイズで5万超えですからね、、、とても手が出ません。
アルパインライト50の外観
白を基調としたデザインで、かっこいいですね。
ダイニーマ素材は染色ができないので、カラーは白一択となります。
触るとパリパリとしており、個人的にはこの感触が気に入っていますw
夏のテント泊装備(テント、シュラフ)+クライミングギア一式(ロープ、ハーネス、ガチャなど)を詰めてみた状態がこちら。
50Lもあるので、わりと沢山入ります。
アルパインだと基本的には誰かと一緒に行くことが多いと思うので、荷物を分担すればもう少し余裕ができるでしょう。
中身はこんな感じになっています(先ほどの写真からは、荷物を少し外に出しています)。
アックスを装着すると、こうなります。
ちなみに冬のテント泊装備は、まだ容量に収まるか試せていません。まぁ、パッキングを上手くやれば入るとは思いますが、、、
右側のヒップハーネスにはギアループ。
クライミングハーネスと干渉しないようになっています。もう一つギアループがあるというのは何かと便利ですね。
左側は小物入れ。日焼け止めやちょっとした行動食などが入れられます。
アルパインライト50の良いところ
次に、アルパインライト50の良いと感じた点について紹介します。
✔良い点
- 背負い心地の良さ
- ダイニーマ素材による軽量性、耐久・耐水性
- フレームとシートが楽に取り外せる
- 雨蓋を取り外しても使いやすい
順番に説明していきますね。
背負い心地の良さ
背負い心地の良さ、これが購入の一番の決め手になりました。
アルパインザックは背負い心地の良くないモデルが多いということを聞きますが、このアルパインライトは例外です(もちろん、個人差はあると思いますよ)。
背中にピタっと吸い付くような感じなんですよね。
テント泊装備+クライミングギアを詰めても、後ろに引っ張られる感覚がありません。
もちろん長時間背負っていると疲労はきますが、他に試したどのアルパインザックよりも背負い心地が良かったです。
ダイニーマ素材による軽量性、耐久・耐水性
スリングの素材にも使われているダイニーマ。
非常に軽量です。50LはS/Mサイズで940g。
軽量なだけでなく、耐久性もあり、岩や木の枝などで引っ掻いてもへっちゃらです。
またダイニーマは耐水性もあるのでザックカバーが不要です。完全防水というわけではありませんが、ほぼほぼ雨を防いでくれます。
荷物を少し減らせるという点も嬉しいところですね。
フレームとシートが楽に取り外せる
もちろん、フレームとシートは取り外しが可能です。
ザックによっては取り外しがめちゃめちゃ大変なものもありますよね。
しかし、アルパインライト50は取り外しが非常に楽でストレスを感じません。
荷物の容量によってはフレームやシートがあるせいで、ザックがいびつな形になってしまうこともありますよね。
そういうときにサッと取り外しができるというのは利点です。
剱岳の源次郎尾根へ行ったときは、フレームを外して(雨蓋もですが)、必要な物以外は剱沢キャンプ場へ置いていきました。
その際は、型崩れせず快適に背負うことができましたよ。
コンプレッションすればコンパクトにもなるので、邪魔に感じることはありませんでしたね。
雨蓋を取り外しても使いやすい
50Lサイズにのみ付いている雨蓋。もちろん、これも取り外しできます。
「雨蓋を取ると小物の収納に困るのでは?」と思うかもしれませんが、このザックには本体にサイドポケットがあります。
両サイドにあるので、わりと沢山収納できますね。雨蓋を取り外した時のことも考えて作られているようです。
アルパインライト50の悪いところ
逆に、使ってみて悪い(気になる)と感じた点について書いていきます。
✔悪い点
- 白い生地のため汚れが目立ちやすい
- ストラップが長く邪魔になる
白い生地のため汚れが目立ちやすい
白い生地はやはり汚れが目立ちます。
何度か使ってるうちに、上の写真のように汚れがついてしまいました。
気になるといえば気になりますが、基本的に山でしか使わないので、見た目の汚れについては仕方ないかなと思っています。
ストラップが長く邪魔になる
アルパインライトには1本締めのストラップが付いていますが、やたらと長いです。
荷物を容量いっぱいまで詰めた状態でないと、長さが余ってしまいます。
こんなふうに、だらーんとみっともない感じに。
そのため中身が少ないときは、このように結びを作ってちょうど良い長さにしています。
邪魔だからといって切ってしまうと、今度は長さが足りなくなってしまうかもしれないので。
この辺は少し作りの粗さが気になった点ではあります。
まとめ
ダイニーマ素材ならではの特徴が目立つかもしれませんが、このザックの真骨頂は「背負い心地」だと感じています。
テント泊装備だと長時間重い荷物を背負わねばならないので、背負い心地は重要なポイントだと思います。
そういう意味で、テント泊を想定したアルパインクライミングにはうってつけのザックとなるでしょう。
僕は50Lサイズを購入しましたが、日帰りの場合などは28L、35Lサイズを選ぶと良いと思います。
ただ残念なことが一つ。
このアルパインライトシリーズは、2019/20シーズン以降、生産はしないそうです。
2020年1月現在では都内の石井スポーツで見かけましたが、おそらく在庫限りになると思います。
こんなに良いザックなのに、販売終了してしまうのは勿体ないですね、、
今ならまだゲットするチャンスがあるので、迷っている方は早めの購入をオススメします。
以上、マウンテンハードウェア・アルパインライト50のレビューでした。
28L(ワンサイズ)はこちら。
35L(S/Mサイズ)はこちら。
マウンテンハードウェアのオンラインストアはこちらから
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