会社の長期休暇を使って、ネパールの壮大なアンナプルナ・ベースキャンプ(ABC)へひとりトレッキングに出かけてきました。
約10日間にわたるこの冒険は、すべて個人で手配し、登山ガイドも付けませんでした。大自然の中を一人で歩くという自由な旅は、予想以上の達成感とともに、毎日が新たな発見の連続でした。
登山道はよく整備されており、途中には便利なロッジも点在しているため、普段山を歩き慣れている方なら、個人でも十分に挑戦できるコースです。
この記事では、旅の準備や計画に必要な情報と、旅のエピソードを交えて書きました。今回は、トレッキングへ行くまでの準備編です。
もし読者のあなたもABCへ行ってみたいと思ったら、僕の経験が少しでも手助けになることを願っています。
なぜネパールに行こうと思ったか
登山を始めてから、ずっと心の片隅に「いつかはヒマラヤの山を見てみたい」という夢がありました。
8000m級の山々が立ち並ぶネパールは、日本とはスケールが全く違う“山の国”。その雄大な景色を一度でもいいから自分の目で見てみたかったのです。
本当は世界一高いエベレストのベースキャンプに行きたかったのですが、日程の制約もあり断念。しかし、移動を含めて10日間ほどで挑戦できるアンナプルナ・ベースキャンプ(以下、ABC)が候補に浮上しました。
ABCはエベレストほど有名ではないかもしれませんが、トレッキング初心者でも比較的アクセスしやすく、素晴らしい景色が楽しめる場所として知られています。
タイミング的にも、現在の会社に勤めて15年という節目を迎え、リフレッシュ休暇を取得できる機会に恵まれました。土日を絡めて約10日間のスケジュールを確保し、ついにヒマラヤへの旅が実現したのです。
ガイドを付けない個人山行について
初めて訪れる国で、しかも一人での海外登山だったので、ガイドを付けるべきかどうかは悩むポイントでした。
ABCについて調べると、登山道はよく整備されており、時期的にも積雪はほとんどない様子。これなら普段からある程度山に慣れている自分なら、一人でも大丈夫だろうと判断しました。
ちなみにガイド料は1日あたりUS$40〜50、ポーター(荷物運び)の費用はUS$30〜35ほどかかるため、ガイドを付けずに行くことで、かなり節約もできたと思います。
もちろん、何が起こるか分からない海外では、ガイドやポーターを付けた方が安心できるのは確かです。
実際、英会話がさほど得意ではない自分にとって、ガイドがいればもっとスムーズに事が進んだだろうと思います。しかし、そうした困難を乗り越える冒険的な要素も一人旅の魅力のひとつだと感じていたので、あえて単独行を選びました。
旅程(2024年11月2日~11月11日)
移動含めた旅程は以下の通りです。
日付 | 内容 | 備考 |
11/2(土) | 成田空港→カトマンズ | フライト約8時間 |
11/3(日) | カトマンズ→ポカラ | 小型機でフライト約30分 |
11/4(月) | ポカラ→ガンドルック | ローカルバスで山村へ |
11/5(火) | ガンドルック→ドヴァン | トレッキング開始 |
11/6(水) | ドヴァン→マチャプチャレB.C. | 標高約3700mまで |
11/7(木) | マチャプチャレB.C.→アンナプルナB.C.→チョムロン | 感動の絶景 |
11/8(金) | チョムロン→サムロン→ポカラ | トレッキング終了 |
11/9(土) | ポカラ→カトマンズ(観光) | 小型機でフライト約30分 |
11/10(日) | カトマンズ(観光)→バンコク(タイ) | タイでトランジット |
11/11(月) | バンコク→成田空港 | 無事、帰国 |
移動も含め9泊10日でしたが、トレッキング自体は3泊4日。
一般的なガイド山行だと7~8日間ぐらいとっているようですが、僕は普段から日本でも頻繁に登山していることもあり、かなり速いペースで往復することができました。
ABCの標高は4,130mあり、富士山(3,776m)よりも高いです。今回とったコースでは、麓からの標高差も約2,000mと大きく、身体への負担も大きくなります。高山病予防のため、3,000mを超えた辺りからはゆっくりしたペースでの行動を心がけました。
また、予備日を1日入れておくと安心です。
ネパールの気候・ベストシーズン
ネパールは日本の奄美大島と同じくらいの緯度に位置しているため、基本的には温暖な気候です。
ただし標高が高く、首都カトマンズの標高も約1400mに達しています。そのため、日中は暑いものの、朝晩は肌寒く感じました。
ベストシーズンは、雨季が終わり乾季が始まる9月末から11月末頃です。この時期、天候が安定しており、トレッキングに最適なコンディションが整います。
実際、僕が訪れたのも11月初めでしたので、まさにその良い時期に旅行することができました。
ネパールへのアクセス
日本からネパールへは、成田空港から首都カトマンズへの直行便が運航されています。所要時間はおおよそ8時間で、比較的短時間で到着できます。
もし乗り換えが必要な場合は、タイのバンコクなどを経由して向かうことができます。乗り換え便の場合、時間は長くなりますが、場合によっては費用が抑えられることもあります。
直行便は割高なことが多いですが、その分到着が早く、移動の負担も軽減されるので、予算に余裕があれば、直行便を選ぶのがおすすめです。
費用
みなさんが気になるのは、やはりお金のことだと思います。
僕は代理店などを通さず、すべて個人手配で行ったので、費用はかなり抑えられた方だと思います。
日本で準備したものも含め、9泊10日の旅でかかった総費用は約27万円でした。以下に、具体的な内訳を記載します。
項目 | 金額(円) | 備考 |
交通費 | 195,000 | ・成田→カトマンズ9万 ・カトマンズ→バンコク→成田6.5万 ・カトマンズ⇔ポカラ3.2万 ・ネパールでのタクシー代等0.8万 |
宿泊費 | 17,000 | 8泊分(市街地、山小屋) |
食費 | 20,000 | |
通信費 | 3,000 | SIMカード(ネパール、タイ) |
保険 | 4,500 | 海外旅行保険 |
ビザ代 | 5,000 | USD30 |
観光代 | 13,000 | 入山許可証、ポカラでの観光代等 |
薬代 | 4,000 | 高山病薬、下痢止めほか |
お土産代 | 8,000 | |
その他 | 3,000 | 地図、変換プラグ等 |
合計 | 272,500 |
費用については、どんな旅にするかによって大きく変わると思うので、あくまで参考程度にしていただけたら幸いです。
ガイドブック『地球の歩き方』について
旅の計画には、ガイドブック「地球の歩き方」が非常に役立ちました。
2024年時点での最新版は「2021~2022年版」ですが、ネパールのような少しマイナーな国については、毎年新しい版が出るわけではないようです。
トレッキングに関する情報は、かなりのページが割かれており、ヒマラヤの山々についてほとんど知識がなかった僕にとっては非常にありがたい内容でした。
この一冊で、ネパールに関する大抵のことはカバーできると思います。
とはいえ、情報は少し古くなっている部分もあるので、その点はネットや他の資料を活用して、最新の情報を確認するようにしましょう。
【1日目】成田空港→カトマンズへ
ここからは、初日からの具体的なエピソードを交えて旅の記録をお届けします。
1日目は、成田空港からネパールの首都カトマンズへのフライトです。
前夜まで仕事の引継ぎなどをバタバタと終え、翌朝、都内の自宅から成田空港まで向かいます。フライト3時間前には空港に到着するようにしました。
搭乗手続きを済ませ、スタバでひと段落。これから始まる旅に思いを馳せます。
今回利用した便は、成田11:25発→カトマンズ16:50着(現地時間)です。
日本とネパールの時差は約3時間で、ネパールの方が遅れています。日本時間だと到着時刻は20時頃ですが、ネパールだとまだ17時頃なので、なんだか1日が長くなったような感覚です。
ネパール航空機内
ネパール航空の機内は、モニター付きの座席でした。
洋画は日本語訳がなく、理解が難しそうだったので、少しあった邦画を2本観ることにしました。
機内食も2回出て、映画も観ながら過ごしていたので、わりとあっという間のフライトでした。
飛行機から降り、到着ゲートへ向かいます。
アライバルビザの取得、入国審査
空港内では、まずアライバルビザ(Arrival Visa)を取得します。
日本で事前にオンライン申請を済ませていたものの、現地での手続き方法がいまいちわからず、結局端末で一からやり直す羽目になりました。
申請用紙が出力されたら、ビザ代をカウンターで支払います。US$30でしたが、日本円でも支払い可能です。この時はまだ両替をしていなかったので、日本円4,850円を支払いました。
ビザ代の支払いが終わった後、外国人向けの入国審査を通過しました。それにしても入国審査の係員って、どうして不愛想な人が多いのでしょうね。。
預けた荷物も無事に受け取り、スマホも海外用のSIMに入れ替え、空港の外へ出る準備が整いました。
トリブバン国際空港から市街地(タメル地区)へ
いよいよ空港の外へ。見知らぬ土地に足を踏み入れるこの瞬間が、旅の中で一番緊張する時間です。
案の定、外に出るとタクシーの客引きが怒涛の勢いで押し寄せてきました。でも、ここはひとまずスルー。明日からのトレッキングに備えて、山の地図と高山病薬を購入するため、市街地に向かう必要がありました。
移動手段は、空港の出入口付近にあるプリペイドタクシーのカウンターで手配。
ネパールのタクシーは基本的に交渉制で、観光客だとぼったくられるリスクも高いのですが、このプリペイドタクシーなら料金が事前に決まっているので安心です。
行き先を告げて料金を支払い、ホッと一息ついて出発です。
タクシーに乗ると、なぜか運転手の他に観光業関係者らしきおっちゃんが助手席に乗り込み、トレッキングガイドの手配を提案してきました。
目的地近くでタクシーは旅行代理店の前に停車し、おっちゃんから「ガイドを手配しなよ」と言われましたが、僕は本屋に行きたかったので、丁寧に断り、「ここで降ろしてくれ」と伝えました。
お礼を言って別れましたが、押しが強いおっちゃんに驚きつつも、こうしたやり取りもネパール旅の醍醐味だと感じました。
降りると、そこはカトマンズのタメル地区と呼ばれる場所。観光客で賑わい、ショップやレストランが立ち並ぶ、街で最も活気のあるエリアです。
頭上を見上げると、カラフルなタルチョ(祈祷旗)がびっしりと張り巡らされていて、「ネパールに来たんだなあ」と実感が湧きます。
風に揺れる旗は、旅の始まりを祝福してくれているようにも感じられました。
Googleマップを使い、事前に調べていた「PILGRIMS BOOK HOUSE」という本屋に到着。この周辺では、おそらく一番大きい本屋です。
外の喧騒とは打って変わって、中に入ると落ち着いた雰囲気でした。
地図もたくさん置いてあり、お目当ての「Around ANNAPURNA」をゲット。
後日談ですが、紙質はそれほど丈夫ではなく、2~3日使ってたら、折り目のあたりが破け始めました。
日本ではポピュラーな昭文社の「山と高原地図」などとは、やはり品質に差があるようです。
その後、薬局にも立ち寄り、高山病薬を購入。
日本でも「ダイアモックス」という名称で購入できるそうですが、ネパールでは「アセタゾラミド(ACETAZOLAMIDE)」という名称で販売されています。
処方箋なしで購入でき、お値段は1,000ルピー(約1000円)でした。
タメル地区からホテルへ戻る
必要なものをすべて買い終えたので、空港近くに予約しておいたホテルへ戻ることにしました。再びタクシーを捕まえ、運転手のおじさんにホテルの場所を伝えます。
ところが、彼はホテルの名前を聞いてもピンと来ない様子。途中で何度も車を停め、道行く人に場所を尋ねる場面が続きました。
そう、ネパールのタクシーにはナビなんて便利なものは付いていないのです。
これがまた旅の醍醐味、と自分に言い聞かせつつ、無事にホテルに着いたときにはちょっとした達成感がありました。
【2日目】カトマンズ→ポカラ
国内便で4時間の遅延…
この日は首都カトマンズから、アンナプルナ麓の街、ポカラへのフライトです。
ポカラまではバスでも行けるのですが、山道を走るために片道7~8時間はかかるとのこと。限られた時間を有効に使いたい僕は、割高ではありますが、迷わず飛行機を選びました。
早朝、ホテルを出発し、徒歩で空港へ向かいました。
係員に国内線ロビーへの道を尋ねると、建物を右手に見ながら左方向へ真っ直ぐ進むよう案内されました。
国内線ロビーは少し分かりにくく、国際線ロビーから少し離れた場所にひっそりとありました。
中に入ると、各航空会社のチェックインカウンターが並んでおり、今回乗るイエティ航空で手続きを済ませます。
その後、空港内にある売店で朝食を買い、出発までの時間を潰します。
ちなみに購入したのは、ベジタブルバーガーとマサラティー。ネパールっぽい、少し独特な風味のある味わいでした。
今回乗る予定の便は朝一番、7:00出発。しかし、搭乗ゲートで「天候不良による遅延」のアナウンスが流れました。
カトマンズは標高約1400m、到着地のポカラ空港も約800mと、どちらも高地に位置しています。そのため、天候の影響を受けやすく、特に朝は厚い雲に覆われて視界が悪くなることが多いそうです。
搭乗待ちのロビーでひたすら待つものの、一向に出発する気配はなし。結局、予定より4時間遅れて11時ごろにようやく離陸となりました。
ネパールの国内便は遅れがちだと事前に聞いてはいたものの、正直ここまで遅れるとは思いませんでした…。
朝の爽やかな空の旅を期待していただけに、少し肩透かしをくらった気分です。
ポカラへのどきどきフライト
今回利用するイエティ航空は、昨年(2023年)に墜落事故を起こし、乗客のほとんどが亡くなったという痛ましい過去があります。
さらに調べてみると、同航空はこれまでにも複数の事故を経験しており、安全性への評価が厳しいようです。
その背景には、ネパールの空港特有の難しさがあるとのこと。高い標高に加え、滑走路が短いことから、パイロットには高度な操縦技術が求められるそうです。
「いよいよ出発か」と思うものの、正直内心はビクビク。祈るような気持ちで「頼むからちゃんと飛んでくれよ…」と心の中で呟いていました。
陸離してからおよそ5分ほど経った頃でしょうか、飛行機が安定した体勢を取り、ようやくホッと一息。
窓の外には、雲に覆われた空の上から、ひょっこりとヒマラヤの頂が顔を出していました。
機内では軽食としてスナック菓子などが提供され、ちょっとしたおやつタイムで心も落ち着いてきました。
無事、ポカラ国際空港へ到着
約30分のフライトを経て、無事にポカラ国際空港に到着しました!
アンナプルナ保護区入域証(ACAP)取得
アンナプルナに行くには、海外登山客はアンナプルナ保護区入域証(ACAP)を取得する必要があります。
空港で客待ちしていたタクシーを捕まえ、申請事務所へ向かいます。
ところが、到着してみると、その日はなんと事務所の閉所日でした。聞くところによると、その日はネパールの祭日だったとのこと。自分のリサーチ不足でしたが、思わぬ足止めを食らい、落胆してしまいました。
仕方がないので、この日は登山を諦め、近くのカフェで翌日からの行動を一人で考え直すことに。
予備日を早くも消化してしまったので、元々考えていたコースから変更することにしました。
ネットでよくよく調べると、『地球の歩き方』に載っているモデルコース(ダンプスから入山)では、かなり時間がかかるとのことでした。現在は山道の整備が進んでおり、ガンドルックという山奥にある集落までのローカルバスが出ているようです。
タクシーを手配するより安上がりで済むこともあり、翌日のバスで行くことに決めました。
移動手段は他にも色々あるようですが、時間に限りある場合は、できるだけショートカットして山奥まで入ることをオススメします。
その日の夜は、急遽泊まることになった格安ゲストハウス「チェリーガーデン」。
オーナーと思しきおばちゃんが受付対応してくれたのですが、とても明るく親切な方でした。
泊まった部屋は窓ガラスがなく網戸のみで、簡素な作りでしたが、1泊1500円ぐらいで寝泊まりできたので、個人的には全然問題ないと思いました。
夜は近くのレストランで、ネパールでは初めてのビールを飲みました。頼んだ「TUBORG」は、ネパール産のビールかと思いましたが、デンマーク産のビールのようでした(笑)
ビールの価格は日本並みでしたが、他の料理は全体的に安かったです。感覚的に、日本の大衆居酒屋の半値ぐらい?
アルコールも入って、良い気分でその日は就寝しました。
【3日目】ポカラ→ガンドルック
【再】アンナプルナ保護区入域証(ACAP)取得
翌朝はゲストハウスから徒歩圏内で、ACAP事務所がオープンする10時前に到着しました。
隣国バングラデシュから来たという青年二人組に声をかけられ、軽く挨拶を交わします。
彼らから「証明写真を撮れる場所があるよ」と教えてもらい、早速その場所へ向かうことにしました。
証明写真屋さんでは、陽気な感じのおじさんがデジカメで撮影してくれました。
写真代は、たしか4枚で200ルピー(200円強)ぐらいだったかと思います。
10時少し前に事務所がオープンし、次々と人々が中に入っていきます。おそらく20人ほどはいたでしょうか。
申請書に記入し、現金3,000ルピー(約3,000円強)を支払いました。
こんな感じの許可証が発行されます。これでひとまず入山準備は完了です。
ローカルバスでガンドルックへ
その後、タクシーを使って「バグルン・バスパーク」に向かいました。
バス乗務員の青年に聞いたところ、ガンドルックまでの所要時間はおおよそ3~4時間とのこと。時間をきっちり把握できていなかったので、かなりかかるなぁという印象でした。
このバスには地元の人たちも多く乗っており、車内はかなり混雑しています。
しばらくすると山道に入りますが、道はかなりデコボコしており、幅も狭く、片側は崖になっています。
下手したら落ちてしまいそうで、昨日の飛行機に続き、スリリングな体験を再び味わうことになりました。。笑
途中、たまたま目の前に立っていたネパール人のおじさんが話しかけてきて、山の話で少し盛り上がりました。
そのおじさんが、「ガンドルックまで行くなら、このバスは途中で乗り換えが必要だよ」と教えてくれました。もし教えてくれなかったら、気づかなかったかもしれません。親切な方に出会えて良かったです。
混雑した車内をかき分けて外に出て、無事に乗り換えを済ませることができました。
乗り換えた先のバスに乗るやいなや、はしゃいでいる感じのおじさんグループに、いきなり日本語で話しかけられました。
「どっから来たの?日本人?」
そのうちの一人が、以前日本で働いていたらしく、かなり日本語が得意なようです。
僕が一人で行動しているのを見て、「女の子イナイノ?サミシイよーー!!」などと言われました(笑)
「いや、日本に妻がいるんですよ…」と伝えると、「失礼シマシタ!」と笑っていましたが。
ガンドルックに到着
そんなこんなで再びバスに揺られたあと、無事目的地のガンドルックに到着。
バスを降りると、先ほどのおじさんがカフェへ案内してくれ、温かいコーヒーまで奢ってもらいました。なんて良い人なんだろう。
色々話を聞いてみると、ここガンドルックは彼の地元だそうです。
また、彼は5年ほど前に銀座の『ほっともっと弁当』で働いていたことがあるらしい。まさかネパールで『ほっともっと弁当』の話を聞くとは思わなかったので、すごく親近感が湧きました(笑)
今夜の宿はまだ決めていないという話をすると、彼の友人でホテルを運営しているという青年が隣におり、紹介してもらえることになりました。
色々と親切にしてもらって、ネパールの人々の優しさが身に沁みます。
ホテルを案内してくれた青年には日本語は通じないようでしたが、ニコニコ笑顔で、憎めない感じでした。
でも、もしかしたらすごく高いホテルに連れて行かれるのでは?と、少し不安な気持ちもありましたが、とりあえずついていくことに。
案内された宿は、「サンデシュホテル」という綺麗なホテルでした。
気立ての良さそうな宿のお母さん(?)に出迎えてもらい、心温まる雰囲気。
「1泊2,000ルピー(約2,000円強)だけど、この部屋で良い?」と彼女から聞かれ、激安ではないけれど綺麗な部屋だし、そのぐらいはするのかなと思い、ここに決めました。
お母さんからウェルカムドリンクとして、ミルクティーを振舞ってもらい、冷えた身体を温めました。
ガンドルックの街並みは、のどかな山村風景という感じで、素敵な雰囲気でした。
夕食は、ホテルのダイニングで。ネパールの定番定食ダルバートをいただき、しっかり腹ごしらえをしました。
その間、スタッフと思われる青年たちが何人か、気さくに「明日はどこへ行くんだ?」と話しかけてきてくれました。
地図を見せながら目的地を伝えると、彼らは「グッドラック!」とにこやかに送り出してくれ、その温かい言葉に心がほっこり。こんな小さなやり取りが、旅の疲れを癒してくれるんだなぁと感じました。
そして、いよいよ明日からトレッキングが始まります。
次回の更新をお楽しみに。
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